タンデム・ロード (2025):映画短評
タンデム・ロード (2025)
ロードムービーの傑作誕生
平野勝之監督『由美香』、今村彩子監督『Start Line』に続くロードムービーの傑作の誕生だ。ワクワクの冒険旅行のはずが、立ちはだかる大自然や2人だけの濃密な時間が心根を露わにして喧嘩の日々。遂に失踪事件も起こり、すわ旅中断か⁉︎と予期せぬ展開だらけで、これぞドキュメンタリーの醍醐味と興奮を隠せない。
約10年前の旅。公にする覚悟と、総括するにそれだけの時間を要したのだろう。結果、社畜の現実逃避から旅にハマり、世界に飛び出した一人の女性の珠玉の成長物語に。プロかと見紛うほどの巧みなアユミのナレーションや、旅中の心情をアニメにして効果的に使った構成に、クリエーターである2人の才能が光る。
この短評にはネタバレを含んでいます