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壮絶で美しい!『国宝』が驚異の高評価

映画『国宝』より
映画『国宝』より - (C) 吉田修一/朝日新聞出版 (C) 2025映画「国宝」製作委員会

 吉田修一の小説を吉沢亮主演、横浜流星共演により映画化する『国宝』(公開中)。カンヌ国際映画祭での上映をはじめ前評判の高かった話題作だが、6月6日に初日を迎えるとSNSでは絶賛、興奮の声でにぎわっている。特に目立つのが「3時間があっという間」という声だ。

【画像】『国宝』吉沢亮・横浜流星・渡辺謙・田中泯、圧巻の歌舞伎シーン<16枚>

 本作は、原作者の吉田が3年の間歌舞伎の黒衣を纏い、楽屋に入った経験をもとに書き上げた同名小説を原作に、極道の息子として生まれながらも歌舞伎の世界に飛び込み、芸の道に人生を捧げる喜久雄の50年を追う一代記。主人公・喜久雄を李組初参加となる吉沢亮、喜久雄のライバルとなる御曹司の俊介を『流浪の月』(2022)以来2度目の参加となる横浜流星、俊介の父で歌舞伎界のスター、半二郎を『許されざる者』(2013)、『怒り』に続き3度目となる渡辺謙が演じる。李相日監督が『悪人』(2010)、『怒り』(2016)に続き3度目の吉田作品映画化に臨んだ。

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 映画・ドラマ・アニメのレビューサービス「Filmarks(フィルマークス)」では4.4の評価。しかも4.1から5.0の評価をつける人が76%という高評価。映画.comでは4.4、シネマトゥデイでは5となっている(いずれも5点満点中、6月8日時点)。ネットでは「今年いちばんの映画」「とんでもない映画」「100年に一度の大作」「この映画こそが「国宝」」など熱のこもった感想でにぎわっている。

 本作では、吉沢、横浜をはじめ、その少年時代を演じる黒川想矢越山敬達、そしてベテランの渡辺謙、田中泯ら劇中で歌舞伎を披露するキャストは全員吹替えなし。主演の吉沢は準備期間、撮影を含め約1年半の間、本作に没頭したというがその努力が結実し、とりわけ吉沢と横浜に「壮絶」「凄まじかった」「2人の説得力抜群のビジュアルと鬼気迫る演技」「どれだけの努力を重ねたのかと胸が熱くなった」「めちゃくちゃ歌舞伎勉強したんだろうな」「神がかっている」「喜久雄と俊介の曽根崎心中は、まさにバケモン」と圧倒される観客が続出。少年時代の喜久雄と俊介が「バケモン」と圧倒される、人間国宝・万菊を演じたダンサー・田中泯にも熱い反応が寄せられている。

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 キャストの演技のみならず、演出のほかカメラワーク、ライティングなど技術面も評価が高く「キャストの演技、映像美、どれをとっても素晴らしい」「全てのカットが美しかった」「絶対に映画館で観た方がいい」とスクリーンならではの没入感を強調する人が多く、2時間54分の長尺も「3時間ずっと目が離せなかった」「3時間があっという間に感じた」との声が目立つ。なお、撮影を手掛けたのは『アデル、ブルーは熱い色』で第66回カンヌ国際映画祭パルム・ドールを獲得したソフィアン・エル・ファニ

 批評の中では、文化大革命を背景に京劇の世界を描いた『さらば、わが愛/覇王別姫』(1993・チェン・カイコー監督)との共通点を挙げる人も。女郎の息子として生まれた主人公が稀代の女形として才能を開花しながら時代の波に翻弄されていくさまが描かれ、カンヌ国際映画祭パルム・ドール(最高賞)を受賞した。今は亡きレスリー・チャンが絶世の美貌、唯一無二の才能を誇る女形をはまり役で演じ、彼の代表作となった。(編集部・石井百合子)

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